炉の修理・メンテナンス
築炉とは、高温で鉄やスクラップを溶かす炉の内部をレンガなどの耐火材で構築・修理・保全する専門作業です。株式会社関和築炉では、城南精工所に常駐し、日々この築炉作業を行っています。溶解炉は高温によって内部が摩耗しやすく、定期的な点検と補修が不可欠です。炉内に耐火レンガを丁寧に積み直すことで、溶解効率と安全性を保ち、安定した操業を実現します。築炉はまさに製鉄の基盤を支える重要な技術です。

スクラップの溶解とマグマ状鉄の取扱い
製鉄の中心となる作業は、スクラップを炉で溶かし、マグマ状の金属に変える工程です。関和築炉では、この溶解工程に密接に関わる設備の保守・修繕を担当しています。溶けた金属は非常に高温で、移送には専用の受け皿(とりなべ)を使用します。スムーズな溶解・移送を行うためには、炉の安定性と受け皿の健全性が不可欠です。私たちはこの一連の流れを安全に行えるよう日々のメンテナンスを徹底し、現場の稼働を支えています。

とりなべ(受け皿)の修理・再生
炉から取り出されたマグマ状の金属は、まず「とりなべ」と呼ばれる大型の受け皿に流し込まれます。このとりなべは、連日高温の鉄を受け止めるため、内部の耐火材が劣化・損傷しやすく、定期的な修理・補修が必要です。関和築炉では、このとりなべの内張りを新しく整え、表面をきれいな状態に仕上げることで、金属の冷却や移送時の安全性・品質維持を実現しています。作業には熟練した築炉技術が求められます。

タンディッシュの補修と耐火施工
タンディッシュとは、とりなべから流された溶鋼を一定量ずつ調整して次の工程に供給するための中間容器です。この工程は製鋼スラグなどの副産物も生み出す重要な部分であり、タンディッシュの劣化は製品の品質にも直結します。私たちは、タンディッシュ内面の補修や耐火材の再施工を行い、正確な温度管理と供給を可能にしています。緻密な築炉作業によって、製鋼工程の安定運転に大きく寄与しています。

月1回のメイン工事と日常業務
関和築炉では、月に1度大規模なメンテナンス工事(炉や受け皿の全面修復など)を実施しています。このメイン工事では、日常では手が届かない深部の損傷箇所や構造部分の補修を行い、次の月までの安定運転を可能にします。それ以外の日常業務では、とりなべやタンディッシュの簡易補修、レンガの積み直し、表面のクラック修復など、細かなメンテナンスが中心です。現場の「受け皿」として、フレキシブルに動くのも我々の強みです。